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鼻水・鼻水が続く

子どもの鼻水が続く、
鼻水の原因は?

子どもの鼻水が続く、鼻水の原因は?子どもの鼻水の原因は主に、風邪やアレルギー性鼻炎です。子どもの免疫機能は大人よりも未発達ですので、ウイルスや細菌に感染しやすく、風邪を引きやすいのです。風邪を引くと、鼻水が出ます。また近年では、花粉やダニなどにアレルギーを持つ子どもも増えています。アレルギーがあると、鼻水も出やすくなります。

子どもの鼻水の色から
考えられる疾患・病気

子どもの鼻水の色から考えられる疾患・病気多くの子どもは鼻水をよく垂らしています。また、発熱がなくても鼻水だけ出ているケースもあります。
お子さまの鼻水が治らないというのは、多くの保護者の方たちにとって気になることかと思われます。実際に、鼻水が治らないことで小児科や耳鼻咽喉科へ相談される保護者さまは多くいらっしゃいます。
この項目では、子どもの鼻水の色について解説しています。

透明な鼻水

鼻水は元々透明色で、色がついていません。子どもの鼻水の多くは透明色で、風邪をひくと色が付くようになります。透明な鼻水は風邪の初期である急性鼻炎をはじめ、アレルギー性鼻炎の症状としてよくみられます。

考えられる病気:急性鼻炎(風邪のひき始め)、アレルギー性鼻炎

黄色い鼻水

急性鼻炎をきっかけに鼻粘膜の炎症が起こると、集まってきた白血球(好中球)が細菌やウイルスを取り込み、死滅します。そのため風邪をひいてからしばらく経過すると、透明だった鼻水が黄色に変化することもあります。
さらに、副鼻腔炎の膿として、黄色い鼻水が出ていることもあります。この膿には、大量に増殖・死滅した細菌、細菌を取り込んで死滅した大量の白血球、細菌から出された外毒素などが含まれています。

考えられる病気:急性鼻炎(風邪をひいてからしばらく経過した後)、副鼻腔炎(黄色ブドウ球菌によるもの)

緑色の鼻水

前述したように、急性鼻炎によって集まった白血球(好中球)は、細菌やウイルスを取り込んで死滅しようとします。死滅した好中球の中には、緑色の色素である「ミエロペルオキシダーゼ」が含まれています。その結果、鼻水が緑色へ変化するのです。
また、副鼻腔炎の膿として、緑色の鼻水が出ることがあります。緑色の鼻水は、緑膿菌をはじめ、インフルエンザ桿菌や肺炎球菌による副鼻腔炎の症状として出ます。

考えられる病気:急性鼻炎(発症後からしばらく経過した後)、副鼻腔炎(緑膿菌などによるもの)

鼻水がたまるとどうなる?
鼻水が詰まっている治療

鼻水がたまるとどうなる?鼻水が詰まっている治療鼻水が溜まると、鼻が詰まって呼吸がしにくくなったり機嫌が悪くなったり、夜中に目が覚めたり、いつも口を開けていたりすることもあります。また、鼻水に色がついていると、中耳炎や副鼻腔炎になる可能性もあります。
鼻水が出るお子さまには、専用器具で鼻水を吸うことが可能です。鼻の中がきれいになると鼻の通りが良くなるため、新しい空気が入って鼻の疾患が治りやすくなります。
 鼻水を吸う処置だけでも受けられますので、お気軽にご相談ください。
鼻水がひどくて処置だけでは改善されない場合は、点鼻薬や飲み薬を処方します。

子どものアレルギー性鼻炎

子どもは、身体の防御力がまだ十分にできていないため、アレルギーを起こしやすいです。アレルギーが原因で鼻が詰まったりくしゃみが出たりする状態を、アレルギー性鼻炎と言います。
アレルギー性鼻炎には、花粉症などの季節によって季節性と、一年中出る通年性に分かれています。

季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)

スギやヒノキ、ヨモギ、イネ科植物、シラカバ、ブタクサなどの花粉

通年性アレルギー性鼻炎

ダニ(またはダニの死骸)、フケなどを含むハウスダスト、獣毛、カビ、PM2.5、黄砂など

主な症状

鼻水をはじめ、鼻詰まりやくしゃみといった症状が起こります。医学的では、これら3つのアレルギー性鼻炎の症状を「三主徴」と呼んでいます。鼻水はサラサラしていることが多いです。これら以外にも、目のかゆみや充血、涙目、喉の痛み、耳のかゆみ、声枯れ、空咳などの症状を伴うことも少なくありません。
アレルギー性鼻炎は、2歳~3歳の子どもでもかかることがあります。これらの症状が見られた時や、目や鼻・口の周りをよく触っている、鼻血が出やすい、鼻が詰まって寝られないなどの様子を見せている場合は、当院へご相談ください。

原因

身体に害のないものを異物と勘違いして、過剰に反応してしまうことでアレルギーは起こります。くしゃみや鼻水は、異物に対する防御反応として起こっているのです。
花粉やハウスダストなどは自然界に存在しているもので、ほとんどの方は影響を受けません。しかし、アレルギー性鼻炎にかかると、それらを異物と認識してしまいます。その時、身体は異物と戦うための「抗体」を作ります。そして、同じ異物に再び触れると、抗体が炎症を引き起こしてアレルギー症状を起こります。
抗体は、肥満細胞という細胞とくっつきます。そこに異物が来ると、肥満細胞はヒスタミンという物質を出します。ヒスタミンは粘膜などの炎症を起こす物質で、くしゃみや鼻水などは、このヒスタミンのせいで起こっているのです。

検査・治療

検査

問診や視診である程度調べられますが、鼻水に含まれる好酸球という細胞の有無で確認できます。原因となる物質がハッキリとされない場合は、血液検査で特異的IgE抗体の種類などを調べていきます。

治療

薬物療法

アレルギー性鼻炎の治療には、抗アレルギー薬が主に使われます。抗アレルギー薬は、シロップやドライシロップ、チュアブルなど、赤ちゃんや小さな子どもでも飲みやすい形になっています。花粉症などの季節性のアレルギーの場合は、花粉が飛び始める前から薬を飲むと、症状が軽くなります。
当院では、このような初期治療を重要視しています。当院でアレルギー性鼻炎と診断された方には、治療の開始時期などのお知らせを定期的にお送りしています。

舌下免疫療法

アレルギーの原因となる物質を含む錠剤を、舌の下に置いて徐々に溶かし、身体に慣れさせることでアレルギーを治す方法です。この治療法は、スギ花粉やダニアレルギーに有効とされており、5歳以上の方なら受けることが可能です。
当院でも行っていますので、興味のある方はお問い合わせください。

子どもの副鼻腔炎(蓄膿症)

子どもの副鼻腔炎(蓄膿症)顔の骨の奥には空洞があります。空洞は、額、目尻と鼻の間、小鼻の両脇などの部分に存在しており、それぞれ細いトンネルで鼻の奥へと繋がっています。副鼻腔炎とは、この空洞内の粘膜が細菌・ウイルスなどによって炎症を起こしてしまう疾患です。4週間以内に治るものを急性副鼻腔炎、それ以上続くものを慢性副鼻腔炎と言います。慢性副鼻腔炎は「ちくのう症」とも言われています。
副鼻腔の粘膜は、気道の粘膜と連動しています。そのため副鼻腔炎がひどくなると、喉の調子が悪くなったり咳が長引いたりすることもあります。また、鼻詰まりが慢性化すると、集中力が低下したり、運動に支障が出たりすることもあります。
鼻汁が黄色くなったり、鼻詰まりが治らなかったりする場合は、早めに当院へご相談してください。

主な症状

鼻汁が黄色くドロドロしていたり、鼻が詰まったり、鼻の周りや額を触ると痛んだりします。頭痛が起こることもあります。副鼻腔に溜まった膿が鼻の奥へ流れてくる「後鼻漏」があると、痰や咳が長く続いたりいびきが悪化したりすることもあります。

診断・治療

問診では症状の始まった時期や度合いなどをお聞きします。その後、必要に応じて、鼻粘膜の培養検査やアレルギーの検査などを行います。
急性副鼻腔炎は自然治癒されることもありますが、症状がひどかったり長引いたりしている場合は、抗菌薬を処方します。また、吸入器や点鼻薬などを使って症状を和らげることもあります。